ペニバナインゲン(Phaseolus coccineus L.)は、主な品種が栽培に支柱を必要とする蔓性である。そのためその育種には大きな労力と面積が必要であり、また結莢率がきわめて低く、他の豆類に比べ育種は非効率的である。また、育種素材が乏しいことも、交雑育種が進まないひとつの要因となっており、細胞培養や遺伝子導入などの生物工学的手法の利用が期待されている。そこで本実験は、その基礎となる植物体再分化系を確立することを目的とし、その培地条件を検討した。さらに、得られた再分化植物体を圃場に移植し、次世代の種子が得られるか、また再分化能に個体間差が見られるかについて検討した。