日本地域共生ヘルスケア学会誌
Online ISSN : 2759-4084
市販菓子が潰れる圧を利用した舌圧の目安の作成
内田 浩江
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 1 巻 3 号 p. 1-7

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抄録
 本研究の目的は,高齢者自身が自己の口腔機能を把握することが出来るよう,簡便な目安が必要であると考え,身近に購入できる市販菓子が潰れる圧力を明らかにし,舌圧値を知る目安を作成することである。研究方法は,口腔モデルの舌の中央に市販菓子を置き,その上に舌圧測定器のバルーンを挿入した状態で,舌の下から舌圧子で圧をかけ,市販菓子が舌と上口蓋との間で潰れる圧力を測定した。  その結果,研究対象とした市販菓子『おっとっと®』を潰すには,20kPa程度の舌圧が必要であった。『おっとっと®』の形状は様々であるが,形状による舌圧値に大きな差がないことから,70歳以上の高齢者の舌圧値を知る目安になり,高齢者自身が手軽に口腔機能を把握できるツールになることが明らかになった。市販菓子を用いて食品が潰れる力を明らかにすることで,その値が舌圧値の目安と成り得ることが示唆された。  本研究により,1.市販菓子『おっとっと®』を舌で潰すには20kPa程度の舌圧が必要である。2.70歳代以上の目安とされるのは20kPaであり,『おっとっと®』を舌で潰せることは,20kPaの舌圧が保持されていることの目安となり得ることが示唆された。 キーワード:舌圧,口腔,簡易測定,目安,市販菓子
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