【背景】救急部からの入院患者と外来からの入院患者に対する経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の現状と予後について比較検討した。
【方法】2005年から2024年までにベリタス病院にてPEGを実施した481例のうち救急部からの入院患者(ER群)と外来からの入院患者(non-ER群)に分類し、年齢、性別、主要疾患、栄養手段、栄養状態、PEGの理由、PEGの方法、自宅からの入院率、入院期間、退院先、死亡率、生存率及び死亡原因について後方視的に比較検討した。
【結果】両群間で有意差を認めたのは、性別(p=0.0441)、自宅からの入院率(p<0.0001)、回復期病院からの入院率(p<0.0001)、脳血管障害(p<0.0001)、血清アルブミン(p=0.00112)、総コレステロール(p=0.0029)、白血球数(p<0.001)、嚥下障害(p<0.001)、食思不振(p<0.0001)、イントロデユーサー変法(p<0.001)、入院期間(p<0.0001)、入院からPEGまでの期間(p<0.0001)であった。生存率に関しては有意差を認めなかった(p=0.348)。両群とも最大死因が呼吸器疾患であった。
【結論】両群とも回復期病院もしくは介護施設への退院が多かった。ER群においては胃瘻が回復期病院もしくは介護施設への転院を促す為の一手段となっていることが判明した。今後いかにして早期に胃瘻造設に繋げ、嚥下訓練を実施し在宅復帰に移行するのを促進するかが重要である。