【目的】安全・確実な胃瘻造設・使用のため当院では胃壁固定を必須としているが、転院先で固定糸の抜糸ができないため入院期間の延長を要することがあった。そこで入院期間短縮のため、抜糸を省略する胃壁固定法(埋没法)を考案したので報告する。
【結果】2015年2月より2024年4月まで143例(男性60例、女性83例)に埋没法で胃壁固定後、胃瘻を造設した。平均年齢は79.3歳(45-97歳)。胃瘻造設時間の平均は16.6分。造設時および術後合併症を計5例(3.5%)に認めた。胃瘻造設後、退院までの平均入院日数は16.4日であった。同時期に施行した鮒田式固定具を用いた胃壁固定による胃瘻造設(従来法)における平均入院日数は21.1日であり、有為に入院日数の短縮を認めた。
【まとめ】埋没法による胃壁固定法は安全かつ短時間に施行可能である。また入院期間短縮に寄与する可能性のある有用な方法であると思われる。