近代教育フォーラム
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新教育「運動」のリアリティ : 新教育連盟とヴェーニガー(報告論文,新教育への新しいアプローチの可能性,Symposium)
渡邊 隆信
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2005 年 14 巻 p. 93-106

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抄録

従来の新教育研究は、新教育の個々の思想家や学校実践を対象としたものがほとんどであった。本論文では「新教育への新しいアプローチの可能性」として、そうした個別的な思想や実践それ自体ではなく、それらが相互に結びつくことによって生じた「運動」に注目することを提案する。具体的には、(1)「新教育」と「新教育運動」とを明確に区別すること、(2)新教育運動をあくまでも歴史的現象として捉え、その生成と展開のリアリティに迫ること、(3)それを可能にするために、材料となる資料の範囲を拡大すること、という3点を提案する。そのうえでこの3つの提案に基づいて、一つの事例研究を試みる。すなわち、新教育運動を推進した代表的な国際的ネットワーク組織である「新教育連盟」を取り上げ、同連盟のドイツ支部とそれに関与したE. ヴェーニガーの思想と行動に焦点をあてながら、実践家や理論家たちが繰り広げた新教育の「運動」の具体像を解明する。

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