2013 年 22 巻 p. 45-53
本稿では、鈴木篤氏の論考の問題の所在、方法、結論を簡潔に確認し、特に問題設定に関わる方法に、大きな問題があることを指摘した。そして、鈴木氏が方法として参照するプロソポグラフィの単純な限界の理解、ピエール・ブルデュの『ホモ・アカデミクス』の問題意識の共有、パリのフランス国立科学研究センター研究員へのインタヴューを通して、教育学・教育哲学の「全体像」をつかむという鈴木氏の思いに向かう道は、鈴木氏の試みとは違って、個別的な研究や研究者についての緻密な分析描写(物語の生成)であるべきことを指摘した。