人文地理学会大会 研究発表要旨
2009年 人文地理学会大会
セッションID: 112
会議情報

第1会場
安中藩の幕末の地球儀
*飯塚 修三澤田 平
著者情報
キーワード: 地球儀, 幕末, 安中
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 海野一隆(1921~2006年)の遺作となった「東洋地理史研究 日本篇」に『江戸時代地球儀の系統的分類』と題して、50数種類の地球儀を紹介している。分類は1~14までは『○○系』として48個、分類15は『未分類』2個。 さらに、分類16は『未調査』、安中市教育委員会と記載されている。  安中藩、藩儒・太山融斎(おおやま ゆうさい、1794~1863年)は嘉永5年(1852)に数個の地球儀を製作した。現存数は2個である。他の1個は保存状態が非常に悪く、今回状態のよい個人蔵の地球儀を紹介した。  地球儀の直径:36cm。木で地球の形状を作り、その表面に髪を張っている。紙の張り子に胡粉を塗り、、世界図を手書きしている。  台座は幅59cm、高さ45cm。  地球儀に書かれた世界図は『江戸時代地球儀の系統的分類』の分類13の『箕作省吾系』の分類される。箕作省吾は弘化2年「新製與地全図」を刊行した。これは1835年フランスで発行された世界図の日本語訳である。『ナポレヲンランド』などの地名が表記されている。

著者関連情報
© 2009 人文地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top