地理学論集
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研究ノート
大雪山国立公園・表大雪山域における残雪分布の推移と登山道管理の方向性
土榮 拓真
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2010 年 85 巻 1 号 p. 37-41

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抄録
 大雪山国立公園・表大雪山域において登山道周辺の残雪分布の推移を求めた。その結果,黒岳においては登山道利用が盛んになる時季にはすでに残雪がなくなっている一方で,裾合平においては,高山植物の見頃季であり登山道利用が盛んである7月に,広範囲に残雪が分布することがわかった。融雪水による登山道侵食促進を防ぐためには,1)残雪が消える時季への利用分散,2)残雪からの融雪水供給の影響のない部分への利用行程の短縮,3)残雪からの融雪水が流れ込まないような登山道への付け替え,といった対策が必要である。
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© 2010 北海道地理学会
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