弘前医学
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弘前医学会抄録
〈一般演題抄録〉ショッピングモールを活用した地域医療活動報告 第2報 世界糖尿病デ~健康大作戦
伊藤 實喜水上 和博緒方 晴彦
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2016 年 67 巻 1 号 p. 112-

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抄録

 糖尿病、癌、脳卒中 ワースト1の人口減少地区北日本、なんとかさねばね〜 そこで、1 日約 5000人の来客で、50才以上が 80%を占める、秋田県の大館イトクショッピングモールで、世界糖尿病デー (国連主導で毎年11月14日開催) に2日間にわたり、多くの地域住民の方々に気軽に参加して頂く様に「無料のHbA1c測定」「5 分でわかる糖尿病」「糖尿病の別名はインスリン無駄使い病! または炭水化物依存症!または 糖毒病だ!」「DVD 食事で改善糖尿病」「実践!糖質成分チェック法」「簡単筋トレ体操」「歯周病対策」「糖尿病と発癌因子〜胃 大腸カメラでどこまで見えるか」「栄養相談」などをマジックショーや鼻笛などの笑いのパフォーマンスを交えての楽しい啓発活動を開催した。目玉は、明日実病院の糖尿病友の会(しらふし会)の61才男性(178cm 91kg BMI28.7)の「インスリンから見事に離脱できた体験発表」でした。
指導のポイントは
1.身長から 100 を引いた体重を目指す(今回は178-100≒80kg を目指す)
2.デンプン(炭水化物・糖質)食材を1/4残す
3.食後 60分以内に筋肉を動かす
以上の3点でした。約7ヶ月で、BMI が 28.7→25.5、体重が 91→81、HbA1c が 9→6.5、食後60分の血糖値が 280→118、と著明に減少し、インスリン量も 40単位→20→10→0 と離脱に成功しました。まさかインスリンから離脱できるなんて夢にも思わなかったとのコメント頂きました。
まとめ
1. 食の宝庫 ショッピングモールでの地域医療活動はとても有意義であった
2.世界糖尿病デーなどのイベントを活用して 肩の凝らない「気軽に参加」「楽しく参加」「体験して参加」「マジックや笑いネタの活用」などは 絶大の効果をもたらした
3.医者でなく患者さんの生の体験発表がとても説得力があった
4.今後は大学や医療施設はモールなど活用してもっと外に向けての地域医療活動が重要だと思われた

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