植生史研究
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オオミツバマツ植物群についての最近の研究
塚腰 実
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2011 年 19 巻 1-2 号 p. 15-24

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抄録
愛知県から岐阜県にかけて分布する東海層群の土岐口陶土層および瀬戸陶土層からは,Pinus trifolia Miki(オオミツバマツ)が産出する。Pinus trifolia を産出する化石植物群の層準は,三木茂博士によりPinus trifolia bedと命名され,産出した化石をもとにMetasequoia が記載された。Pinus trifolia bed から産出する化石植物群,すなわちPinus trifolia flora(オオミツバマツ植物群)は,絶滅属をともない多くの温暖種や外地生要素を含む。本総説では三木博士の研究以後に行われた,土岐口陶土層および瀬戸陶土層についての古生態学,生層序学,堆積学,放射年代学的な研究を紹介した。Pinus trifolia flora は,テフラの年代測定により,現在では中期中新世末~後期中新世初期(10–12 Ma)の化石植物群と考えられている。
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© 2011 日本植生史学会

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