2011 年 22 巻 p. 81-84
キリンビール神戸工場内のビオトープ池では,11 年間にわたって絶滅危惧種の保護・増殖に向けた取り組みを進めている.この取り組みの中で,計画的に導入したことがないにもかかわらず,偶然出現した絶滅危惧種がいる.すなわち,2005 年10 月に車軸藻類の一種キヌフラスコモ(Nitella gracilens)の生育,2008 年9 月には淡水コケムシ類の一種カンテンコケムシ(Asajirella gelatinosa)の生息がそれぞれ確認された.本資料では,これらの生物の特徴と,それぞれが出現した当時と現在の状況について報告する.