人と自然
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最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • Seiki Takatsuki, Kazuo Suzuki
    2025 年35 巻 p. 1-5
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    Some studies on cranial lengths of the Japanese raccoon dogs showed that male skulls and mandibles were slightly longer than female ones, while other studies concluded that there was no difference. Studies on Finnish and Korean raccoon dogs also concluded that there was no difference. Measurements of other bones and body weight have not been reported. We studied the skull length, mandible length, and femur length of 118 raccoon dogs (61 males, 57 females) in Wakayama, western Japan, and found that male bones were slightly longer, but the difference was only within 2%. However, there was a significant difference in body weight, with males being 22.3% heavier than females in summer and autumn.
  • 池田 忠広, 生野 賢司, 久保田 克博, 田中 公教, 半田 久美子, 加藤 茂弘, 廣瀬 孝太郎
    2025 年35 巻 p. 6-28
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    兵庫県立人と自然の博物館では,2006 年に兵庫県丹波市山南町の篠山層群大山下層より大型恐竜化石が発見さ れて以降,その調査・研究に積極的に取り組んでいる.長年の調査の結果,学術的価値の高い化石資料が多数産出し ており,化石産出地点は 2024 年 9 月末現在で 6 地点を数える.本稿では,人と自然の博物館が中心となって長年実施 してきた篠山層群大山下層を対象とした発掘調査に関しその歴史を振り返るとともに,同層や他地域における調査実施 に向けた調整や準備の参考となるように各調査の実施内容やその背景,研究成果等を整理し報告する.
  • 青山 茂
    2025 年35 巻 p. 29-33
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    2023 年 9 月に神戸市においてコルリ Larvivora cyane 幼鳥雄の地上での行動を 7 日,合計 44 分,動画撮影した.再 生したところ,本種が移動しながら嘴を使う行動が 153 回観察され,うち 139 回は何かをついばむ行動であった.残り 14 回は落葉除去行動であった.ついばみ行動の対象はほとんど確認できなかったが,その中にタカノツメ Evodiopanax innovans の実を咥え上げる行動を 4 例と素早く歩行しながらついばむ行動を 1 例確認した.これまで本種は昆虫食性と 報告されてきたが,本研究では幼鳥雄のおそらく 1 個体だけの観察ではあるが,本種が果実食も行うことが強く示唆され た.ついばみ以外の行動として,幼鳥雄は地面に横たわる枝上でときどき静止した(最長 204 秒).他にも活動の際に,す ぼめるか軽く開いた尾を頻繁に振った.ときには尾を大きく広げて激しく振った.
  • 沼田 寛生, 藤木 大介
    2025 年35 巻 p. 34-46
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    春植物は日本に広く分布するが,多くが暖温帯域に含まれる西日本では自生地は限られている.兵庫県の春植物の分 布は中部以北に偏っているが,近年ニホンジカの食害等で危機的な状況となっている.兵庫県丹波市青垣町にある兵庫 県森林動物研究センターの敷地内には希少な春植物の群落がある.その植物種はヒメニラ,レンプクソウ,キバナノアマナ, アズマイチゲであり,県内でこれら 4 種が同所にまとまって生育している地点は他に知られてはいない.しかし,当自生地は 長年放置され低木やネザサに覆われていた.2017 年から 2024 年にかけて,春植物の生育・繁殖に適した環境に近づける ことを目的とし,保全を実施した.冬期の 12 月上旬から 1 月中旬に草刈り等を行い,出芽期の 2 月下旬頃に電気柵を設 置し,開花期の 3 月中旬から 4 月上旬に開花株数の調査を行った.その結果,アズマイチゲの開花株数が 1 株から 326 株まで増加し,他の 3 種も増加した.
  • 中村 耕, 渡邉-東馬 加奈
    2025 年35 巻 p. 47-51
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    筆者は,2023 年 6 月に丹波篠山市の里山の林縁で特徴的な三裂する葉を有する木本のつる性植物に六角柱状の果 実がついていることに気が付いた.この植物は日本産オオバウマノスズクサ亜属の内,西日本に分布しているオオバウマノ スズクサあるいはアリマウマノスズクサのどちらかと思われた.両者の明確な区別には花形態を確認する必要があることから, 2024 年の芽吹きから開花までを観察し,アリマウマノスズクサであることを確認した.丹波篠山市でのアリマウマノスズクサ の自生の確認は初めてである.また,結実から裂開までも観察し,盛夏では裂開の多くは夜間に始まり早朝までに平開し, その日の午後には閉じること,平開時にはハナムグリ族が訪れることがあることが明らかになった.
  • 明尾 亮佑, 石井 秀空, 千葉 駿, 栗山 武夫, 山﨑 健史
    2025 年35 巻 p. 52-55
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部で捕獲された中型の外来哺乳類に寄生したノミ類の調査を行い,3 種 31 個体の哺乳類を検査した.その結 果,8 個体のアライグマからネコノミ,タヌキナガノミ,ミカドケナガノミの 3 種のノミ類が得られた.これは兵庫県のアライグマ から初のノミ類の記録となる.
  • 石井 秀空, 栗山 武夫
    2025 年35 巻 p. 56-59
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    兵庫県神戸市北区のため池に設置した自動撮影カメラで,淡水性二枚貝のドブガイ類を捕食するアライグマが撮影さ れた.また,同調査地でアライグマに捕食されたと思われるドブガイ類の貝殻を採集した.アライグマがドブガイ類を捕食し ているのであれば,ドブガイ類を産卵床として利用する在来タナゴ亜科魚類の減少をより加速させる可能性が考えられる. 今後はドブガイ類を含むイシガイ科貝類の捕食者として,既知のヌートリアに加えアライグマも注視していく必要がある.
  • Yoshihiro Tanaka
    2025 年35 巻 p. 60-66
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    Five fossil whale bones discovered by Mr. Shingo Kishimoto from the Yoshino Formation, Early Miocene are identified as below. MNHAH D1-059542 is a left tympanic bulla (cf. Isanacetus laticephalus). MNHAH D1-059543 is a fragmentary cranium (Chaeomysticeti indet.). MNHAH D1- 059544 to 059546 are three vertebrae belonging to one individual (Cetacea indet.). These additional specimens supplement knowledge of Early to Middle Miocene whales in the region, and to compare with other areas for the future studies.
  • 山口 純一
    2025 年35 巻 p. 67-76
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    日本の図鑑では,ヤナギ属の葉形には 5 つの基本用語(線形,披針形,長楕円形,楕円形,卵形)が使われてきたが, 改訂新版『日本の野生植物』のヤナギ科(大橋,2016b)では披針形に代わって,「狭卵形」が用いられた.この経緯を知 るために,用語の原語(英語,ラテン語)での葉形の範囲と対応する日本語の用語をまとめた.さらに江戸末期以降の日 本の出版物で,葉形の用語の範囲を記述と図から集めて,歴史的な経緯も含めて整理した.その結果,「狭卵形」は, SADT (1962a,b)による相称平面図形の用語での anguste ovatus に端を発し,清水(2001)が「狭卵形(披針形)」とした ものが大橋(2016b)に継承されたと理解した.現在でも披針形はよく使われる用語であり,今後も狭卵形の同義語として 用いるのが好ましいと考えている.また長楕円形と楕円形についても混乱があり,区別点である葉縁の形状が日本では 徹底されていないこともわかった.最後にヤナギ属の葉形と用語の模式図をまとめて提案した.
  • 宇野 宏樹
    2025 年35 巻 p. 77-80
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/01/31
    ジャーナル フリー
    ホソカタムシ類は,枯れた木などに生息する鞘翅目昆虫のグループである.最近の分類体系では,本グループは多系 統とされ,ムキヒゲホソカタムシ科 Bothrideridae Erichson, 1845・ツツホソカタムシ科 Teredidae Seidlitz, 1888・アトコブゴ ミムシダマシ科 Zopheridae Solier, 1834 に散在し,複数の上科に所属している(青木,2017).ホソカタムシ類は兵庫県か らも多くの記録があるが,兵庫県産のホソカタムシ類のみを取りまとめた種のリストはこれまで作成されてこなかった.本稿で は,兵庫県のホソカタムシ相を調べるため,文献調査及びデータの収集を行った.今回,その結果をまとめて報告する.兵 庫県では,カクホソカタムシ科 Cerylonidae Billberg, 1820・アトコブゴミムシダマシ属 Phellopsis LeConte,1862・ヨコミゾコ ブゴミムシダマシ属 Usechus Motschulsky, 1845・タマムシモドキ属 Monomma Klug, 1833 を除いて数えると,少なくとも計 28 種のホソカタムシ類の記録が確認された.その内訳は,ムキヒゲホソカタムシ科 3 種・ツツホソカタムシ科 2 種・アトコブ ゴミムシダマシ科 23 種であった.
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