人と自然
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生涯学習施設の館内放送はどうあるべきか: 聴覚実験による肉声と人工合成音声の聞きやすさの比較
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2014 年 25 巻 p. 63-74

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抄録
2014 年2月に,27 名の男女を対象に,一般来館者を想定して,音声の聞きやすさを調べる聴覚実験を行っ た.被験者の男女比や年齢構成には偏りが見られた.実験用の質問には,男女のアナウンサーが吹き込んだ肉声のデジタル録音,既存のデジタル図書に吹き込まれたボランティア女性による音声のデジタル録音,新たに作成した人工合成音声を用いた.実験の結果,肉声では,女声が男声よりも有意にわかりやすかった.しかし,人工合成音声に男声・女声の間で差はなかった.そして男女とも,人工合成音声よりも肉声が有意にわかりやすかった.ただし音声の拡声と同時に絵や漢字かな混じり文を示すと,肉声と変わらないわかりやすさが得られた.朗読と歌の間に差は認められなかった.以上の結果は,緊急時の誘導案内放送には,音声と共にモニターに避難を 促すコミュニケーション支援絵記号を提示するなどの工夫が必要であることを示す.
© 2014 兵庫県立人と自然の博物館
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