人と自然
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兵庫県三田市南公園(ブイブイの森)におけるナラ枯れの発生状況
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2017 年 28 巻 p. 87-95

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抄録

2016 年にナラ枯れ被害が顕在化した兵庫県三田市南公園において,今後の当地における生物多様性の保全とナラ枯れ対策を検討することを目的に,カシノナガキクイムシの穿孔のあるナラ類を対象として,その分布位置,樹種,樹木サイズ(樹高,胸高周囲長,枝張り),穿孔発生高の最大高,枯葉の脱着状況,翌春(2017年6 月)の展葉状況について調査し,穿孔確認個体を生存木と枯死木の2 群に分けて解析した.結果,(1)穿孔個体は調査地中央西側のエリアと中央部東側のエリアに集中するものの,広い範囲に飛び地状に点在していること,(2)コナラ115 本,クヌギ3 本にカシノナガキクイムシの穿孔が確認され,うち33 本が翌春に展葉せず枯死していたこと,(3)穿孔発生高の最大高の平均は生存木群では2.98 m であるのに対し,枯死木群では3.85 m と0.87 m 高かったことが明らかとなった.

© 2017 兵庫県立人と自然の博物館
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