北海道畜産草地学会報
Online ISSN : 2434-138X
Print ISSN : 2187-5391
原著
異なる部位から調製したブタ骨格筋ミオシンの加熱ゲル形成能とそれに及ぼすアクチンの影響
前田 尚之岩﨑 智仁石下 真人
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2017 年 5 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

ブタ骨格筋の部位の違いによるミオシンの加熱ゲル形成能の特性を明らかにすることを目的として、腰最長筋(M. longissimus lumborum、LL)、半膜様筋(M. semimembranosus、SM)、大腰筋(M. psoas major、PM)および横隔膜脚筋(DiaphragmPars muscularis、DM)ミオシンの加熱ゲル形成能ならびにそれらに及ぼすLLとDMアクチンの影響を調査した。いずれの部位のブタミオシンの加熱ゲル形成能はpH 5.7付近で最大となったが、剛性率の最大値は筋肉の部位によって大きく異なっていた。また、LLアクチンの添加はDM以外のミオシンの加熱ゲル強度を高めたが、DMアクチンにはこのような効果は認められなかった。いずれのアクチンもミオシンと相互作用していることは光散乱によって確認された。部位の違いでミオシンの加熱ゲル形成能、さらにこれに及ぼすアクチンの影響が異なることが明らかとなった。

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© 2017 北海道畜産草地学会
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