委員会活動報告
国家試験委員会の活動～保健師国家試験の質向上を目指して～
2021 年 5 巻 1 号 p. 42
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2021 年 5 巻 1 号 p. 42
国家試験委員会は例年実施する保健師国家試験の全問調査と環境調査に加えて，令和2年度は，昨年度実施した「保健師国家試験出題基準見直しに関する調査結果」に基づいて要望書を作成し，厚生労働省に提出した．また昨年度，厚生労働省から本協議会が受託した「保健師助産師看護師国家試験評価改善事業」報告書の提出に携わった．
全問調査は，厚労省医道審議会保助看分科会K・V部会が開催される3月第1週までに本協議会意見書を間に合わせる必要性から，例年，会員校の皆様に日程的に厳しい中で協力いただいている．参加率はこれまで漸増傾向であったところ，令和元年度は35.1%と前年度より22.8%も低下した（図参照）．調査への協力に応え，今後の参加率向上も目指すため，令和元年度から厚生労働省への要望書と合わせて「全保教正答・タキソノミー分類」「タキソノミー分類割合」及び「第106回保健師国家試験環境調査結果」を会員専用ページに2月中にはアップする等，成果還元の早期化を図っている．
保健師国家試験全問調査 参加状況の推移
全問調査に寄せられた意見は根拠となる文献を確認するなど精査をするため，委員会は3日間集中した討議の場となり，委員全員の集中力・分析力・体力が勝負であり，また国家試験問題作問スキルを伝承する場でもある．平成30年度から新たな試みとして，委員以外で問題のブラッシュアップに関心がおありの先生に参加いただいている．今後も興味関心のある先生方に，国家試験作問及び作問におけるブラッシュアップのスキルを会得する機会として活用いただきたいと考えている．
2． 国家試験出題基準見直しに関する調査今年度，厚生労働省で保健師国家試験出題基準の見直しが行われる．その検討開始に間に合わせるため，昨年度末に会員校の皆様に調査を依頼した．解答状況は40校（18.5%）であったが，具体的な内容を提示した要望書として厚生労働省看護課に提出できた．
3． 厚労省委託事業評価検討への協力令和元年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業「保健師の資質向上及び確保に向けた調査・分析事業」報告書として，会長により提出された．本報告書は令和2年11月2日開催の医道審議会保助看分科会の資料として活用された．
令和3年度も保健師国家試験に関する評価や情報発信を積極的に行いたいと考えている．国家試験問題内容調査は会員校のご参加なくしては成立しない．会員校の皆様方のご理解とご協力に心から感謝申し上げ，今後も引き続きご協力を願い申し上げたい．
担当：坪川トモ子（新潟青陵大学看護学部）
板垣昭代（獨協医科大学看護学部）
大谷喜美江（日本赤十字豊田看護大学）
大西真由美（長崎大学大学院医歯薬学総合研究科）
齋藤公彦（福山平成大学看護学部）
播本雅津子（名寄市立大学保健福祉学部）
