2024 年 8 巻 1 号 p. 55
両ブロックによる合同研修会について報告する.夏季研修会の企画運営準備は東海,近畿北ブロックが,冬季研修会は北陸,近畿南ブロックが主担当で行い,全国の会員校を対象として実施した.
【テーマ】
「保健師教育課程の質を保証する評価基準」の改定
【開催日時】
令和5年9月30日(土)13:30~16:10
【内容と参加人数】
1)保健師教育課程の質を保証する評価基準について,全保教教育体制委員会委員長・長崎大学中尾理恵子教授と全保教教育体制委員会副委員長・名古屋学芸大学西出りつ子教授より情報提供がなされた.医療系分野別認証評価の現状とこれまでの保健師教育に関する評価基準の経緯を踏まえ,教育体制委員会で作成された令和4年度改訂案の内容等が説明された.情報提供後にグループワークにて改訂案の枠組みについて話し合いがされた.参加者数は55名(内,ブロック外10名)であった.
2)グループワークでは9項目の評価基準に対して,各基準の評価の意図および項目の内容や表現,多様な教育課程での活用可能性などについて検討した.また,グループワークの過程で保健師教育課程のディプロマポリシー,カリキュラムポリシーが作成されていない教育機関もあることが明らかになった.今後は,大学院や専攻科の教育課程を参考にしつつ,保健師教育課程の基本的方針としてのディプロマポリシーを作成していく必要性が認識された.
2. 冬季研修会【テーマ】
社会からの孤立を防ぐ,生きづらさに応える地域づくりのために,これからの保健師活動を考える
【開催日時】
令和6年2月11日(日)13:30~16:30
【内容と参加人数】
1)「分野横断的な地域保健活動の推進に向けて」をテーマに,厚生労働省健康・生活衛生局健康課保健指導室室長補佐尾川春香様からWeb(オンライン)にて講演いただいた.参加者数は48名(内,ブロック外3名,両ブロック会員校がお世話になっている実習施設の保健師14名)であった.
2)引き続き,「誰一人も取りこぼさない支援のために~健康日本21第3次にむけて~」をテーマに,対面式でシンポジウムを行った.シンポジストは,研究者の立場から東邦大学大学院看護学研究科長岸恵美子教授,先進的な実践現場から,美作市福祉政策課課長補佐春名雄一様,宍粟市福祉相談課係長大塚正雄様,京都府脱ひきこもり支援センター長木村佳美様の4名にお願いした.
3)会場からの質問と意見交換では,重層支援での協働の仕方,協働における保健師の役割などが話題となり,活発な意見交換が行われ,今後の課題を共有することができた.
2023年度の合同研修会は,新型コロナウイルス感染症の動向に配慮し,夏季はWebによる実施,冬季はポストコロナの研修会と位置づけ,従来の対面による実施とした.久しぶりの対面による研修会では,意見交換の活発さや親睦が深まることを実感した.Webは参加しやすさがあるが,年1回は対面による実施を実現したいと考える.
担当:廣金和枝(兵庫医科大学)
榊原千佐子(朝日大学)
清水真由美(三重県立看護大学)
巽あさみ(人間環境大学)
中北裕子(三重県立看護大学)
高田直美(人間環境大学)
目良宣子(森ノ宮医療大学)
関口敏彰(森ノ宮医療大学)
小路浩子(神戸女子大学)
笹井佐和子(森ノ宮医療大学)