2025 年 9 巻 1 号 p. 38-39
2024年度は,2023年度からの研修委員会のメンバー9人で活動した.今年度の主な業務は,夏季教員研修会とラダーI研修会の企画・実施である.その準備の為に,委員会活動は,主にZOOMで計5回開催,対面で1回(2025年1月12・13日の2日間,福岡)開催した.対面会議では,2023年・2024年の研修委員会の研修や活動の振り返りと今後の研修委員会の役割や課題等について検討した.
夏季教員研修会は,今年度も参加費無料(会員)のオンライン研修で,運営担当は,東海・近畿北ブロック理事が行った.今年度からは,研修受講を事前申込制としたため,申込者数は181名,加盟校(244校(2024年6月1日現在))のうち140校(参加率57.3%)が申し込みを行った.研修参加者数は,午前120名,午後118名であった.今年度は,日本公衆衛生学会,日本公衆衛生看護学会に認定専門家の研修会としての認証を受けたため,修了証を発行希望者53名に発行した.ラダーI研修会は,第4期生の2年目の研修会(実習編)を実施した.夏季教員研修会とラダーI研修会の活動内容と成果を以下に報告する.
研修会は,午前に全体研修会を2つ,午後に2つの分科会を開催し,全てが全国保健師教育機関協議会(全保教)の委員会の企画であった.全体研修1は,教育課程委員会の企画で「公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂にむけて」のテーマに基づいてグループワーク(以下GW)を実施した.GWには83名が参加した.全体研修2は国家試験委員会の企画で「国家試験問題作問チャレンジ入門・実践編のご案内」の研修を行い,97名が参加した.終了後のアンケートでは,全体研修1では85%が,全体研修2では74%が「とても満足」,「満足」と回答した.午後の分科会では,第一分科会は教育体制委員会が「保健師教育課程と3つのポリシー」を開催し,60名が参加した.第二分科会は研修委員会が,「発展的な統計解析の理論と実際~共分散構造分析~」を開催し,58名が参加した.
2. ラダーI研修会(2024年8月22日・23日,2025年3月28日)の実施2024年度のラダーI研修会のテーマは「実習技法」であった.8月22日・23日の研修では,全国から教育経験5年以下の教員35名とオブザーバーの教員2名が参加した.講義編では,教育歴の長い先生方からの保健師教育の歴史的経過を含めたカリキュラム構築の経緯や保健師魂が注入された実習指導の工夫,学生の学習意欲を高めるための学習者の心理を踏まえたかかわり方等,日々の保健師学生への支援において具体的ヒントになる体験談を交えた貴重な話を聞く機会となった.また,演習では,受講者の自らの実習指導の実践を振り返りながら学習する学習活動を通して,実践力につながる深い学びの機会となった.今回の研修においても,参加者間の交流やファシリテーター(研修委員会メンバー)等との交流による対面学習に対する高評価が多かった.
2025年1月12–13日に,1期2年間の委員会の活動である夏季教員研修会2回,ラダーI研修会の1クール(教育編と実習編)の内容をほぼ見通せた段階で,その振り返りの為の対面の委員会を開催した.委員会歴の様々なメンバーとの意見交換は,過去の研修委員会の実績を踏まえ,さらに発展させるための具体的課題や内容を検討する貴重な機会となった.ラダー表を効果的に活用した研修内容の体系化,ラダーI研修修了者も含めた委員会体制の構築等,社会ニーズに対応した保健師教育の質の担保と効果的な教育・研究・社会貢献の技法を探求する研修について引き続き検討を行う.
最後に,研修会の開催にご協力を頂きました講師並びに,参加された各校の先生方に深謝します.今後とも会員校の皆様のご意見を取り入れたよりよい研修の企画をしていきたいと思います.
担当:松尾和枝(福岡女学院看護大学)
野尻由香(国際医療福祉大学大学院)
鈴木美和(三育学院大学)
荒木田美香子(川崎市立看護大学)
田場真由美(公立大学法人名桜大学)
三橋美和(同志社女子大学)
山口 忍(茨城県立医療大学)
酒井康江(福岡女学院看護大学)
福田知恵(福岡女学院看護大学)