抄録
1. F_4〜F_6世代にわたってアキニシキと収2758の雑種集団を熟期によって群別し, 各群の形質の組換え(希望)型の出現頻度を明らかにし, 遅延選抜の効果を検討した。2. F_6世代においても出穂期の分離する系統が認められた。3.アキニシキの晩生, 良質, 長稈, 短穂の形質が強く連鎖し, 早生, 短稈, 長穂, 良質の組換え型の出現は難しいものと思われた。4. F_4世代とF_5世代の熟期が異なる群から希望する組換え型が多く出現し, またF_6世代に分離した系統の中にも多かった。5.以上のことから後期世代までヘテロ性を保っている系統の中に組換え型が多く出現することが明らかになり, 組換えの難しい形質については十分組換えの機会を与えた後に選抜することが望ましい。