抄録
土壌からの無機態窒素の供給力を簡易かつ迅速に把握した上で施肥設計する技術の確立を目指して, 長野県下の黒ボク土壌の畑地における全窒素, 全炭素及びリン酸緩衝液抽出法による抽出有機態窒素について, 近赤外反射光分光分析法を用いた測定法の検討を行った.風乾試料を用い, キャリブレーション(較正)は30点で, 6〜7波長を選択し, バリデーション(有効性の検証)は15点で実施した.全窒素と全炭素の推定誤差の標準偏差は各々乾土中0.04%, 0.42%と小さかった.一方, 抽出有機態窒素は推定誤差が大きかった.全窒素と全炭素は推定精度が高く, 実用的な精度で簡易・迅速な測定が可能と考えられた.