抄録
深層施肥を行うなかで, 例年並の収量を確保しながら, 食味要因として, 精白米中の窒素(N)%と炊飯米のA_1/A_3値(硬さ/粘り)を, 慣行区(表層追肥)の値より低め, 少しでも食味改善が求められないものかと思い試験を行った.1.1993年の冷夏にもかかわらず, 深層追肥の各区は, 例年並の収量を示した.2.深層2区のA_1/A_3の値と, 深層全区のN%は, 慣行区のそれぞれの値より低かった.このことから, 深層追肥を行っても, 緩効肥料を用いるなどすれば, 食味改善につながることが示唆された.