オオムギ雲形病について抵抗性遺伝子源および病原菌の変異を調べ,抵抗性品種がトルコ,エチオピアに多く,異なるレースに有効な複数遺伝子が3H染色体上で連鎖すること,また病原性は北陸地域内できわめて多様なことを確認した.イネの多収性育種に資するため穂首維管束の遺伝変異を調べ,インド型および日本型間,さらに両品種群内に顕著な差異のあることを明らかにし,この変異が多収性育種やストレス耐性の新しい指標となることを提案した.新潟県で生じた巨大自然災害に対しては異分野との共同研究による被害調査班を組織し,冠水した稲作圃場における減収程度を衛星画像の利用で早期診断できることを立証した.