抄録
玄米の光学選別および粒厚選別が,食味分析計食味値および味度メーター味度値の機器分析値へ与える効果を明らかにするため,多年次に亘る調査を行い,一般線形モデルを用いて要因効果を評価した.光学選別および粒厚選別による要因効果量は,粒厚選別の方が大きかったが,年次変動の要因効果量に対して16%ないし50%程度であった.「コシヒカリ」において,光学選別と粒厚2.0mm以上の選別を併用すること,または曲線回帰の結果より篩目2.05mmの篩の利用には一定の効果があると思われ,最大で合計6.7点の機器計測値スコアの増加が見込まれた.なお,本研究において倒伏程度は4.5~5.0であり,一定の留意を要する.