北海道心理学研究
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研究論文
黒色の衛生マスクの着用が印象と魅力の知覚に及ぼす影響
伊藤 資浩河原 純一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 41 巻 p. 1-13

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抄録

対人評価において,被評価者の衛生マスク(以下,マスク)の着用は,印象や魅力の知覚に影響することが明らかにされている(Miyazaki & Kawahara, 2016)。本研究は,マスクを着用している人物に対する印象や顔の魅力の知覚に及ぼす影響について,マスクの色による違いに着目する。具体的には,黒もしくは白色のマスクを着用している人物に対する潜在的・顕在的な態度(例えば,良い‐悪い)及び顔の魅力を調査・測定した。その結果,潜在的・顕在的態度の両方で黒いマスクを着用している人物に対して非好意的な態度が確認された。また黒いマスクの着用者の顔の魅力は,白いマスクの着用者に比べて低い場合があった。これらの結果は,(1)印象や顔の魅力の知覚にマスクの着用だけではなく,マスクの色特有の影響が生じること,(2)慣れ親しみの高い従来のマスク(白色)に比べて,慣れ親しみの低いマスク(黒色)を着用している人物に対して非好意的に知覚されることを反映している。

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2019 北海道心理学会
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