北海道心理学研究
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研究論文
  • 類似性の原則に着目した実験的検討
    鎌谷 美希, 瀧本-猪瀬 彩加
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 43 巻 p. 1-15
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル オープンアクセス

    ヒトを含む社会的動物は,同種他個体と親密で永続的な関係(以下,社会的絆)を築く。この社会的絆を強く築く個体は繁殖において有利であることが報告されてきている(e.g., Cameron, Setsaas & Linklater, 2009)。また,de Waal & Luttrell(1986)では,個体は自分と類似した集団内の他個体を親和的な相互作用の相手として選び,社会的絆を形成し始める可能性が示唆されている。実際,ウマ(Equus caballus)においてはより年齢の近い個体間で強い社会的絆が築かれる(ワイルズ,2019)。しかし,ウマが他個体と相互作用をする前に,似た年齢の個体を選好しているかどうかは明らかになっていない。本研究では,ウマが,年齢の異なる未知のウマの顔写真(幼若・同齢・老齢)を単呈示された時に,同年齢の同種他個体に対して視覚的選好を示すかどうかを検討した。その結果,写真のウマの年齢は参加個体の刺激に対する注視行動・接近行動・接触行動に影響しなかった。これらの結果は,ウマは相互作用をする前に,その顔写真に対して同齢他個体への視覚的選好を示さないことを示唆している。

  • 杉澤 榛高, 久藏 孝幸, 河原 純一郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 43 巻 p. 16-35
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル オープンアクセス

    聴覚障害学生に対し,学生支援者が音声情報を即時に文字化,提供するテイク活動が日本の各大学で実施されている。本研究の目的はテイク活動の経験と作業記憶の容量の関係を測定することである。具体的には,テイク活動の未経験者よりも経験者の作業記憶容量が大きくなると仮説を立て,16 名のテイク経験のある学生と12 名の未経験の学生に対し,作業記憶容量を計測するリーディングスパンテストとリスニングスパンテストを実施,3 要因分散分析を行った。結果は,未経験者のリーディングスパンテストが経験者よりも高得点であったため,仮説を支持しなかった。一方,リスニングスパンテストの結果は仮説を支持した。リーディングスパンテストの得点が仮説を支持しない理由としては(1)テストと支援活動との間の非類似性(2)リスニングスパンテストに比べてリーディングスパンテストが高難易度であるために方略数が増加(3)(1)と(2)による経験者の動機づけの低下が考えられた。リスニングスパンテストについては,テストを用いてテイク活動の技術を予測できる可能性を示した。

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