園芸学研究
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栽培管理・作型
空気膜二重構造ハウスの利用による施設内環境変化が半促成栽培キュウリの生育および収量に及ぼす影響
岩崎 泰永吉田 千恵宍戸 良洋
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2011 年 10 巻 1 号 p. 49-54

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抄録
ハウスの保温性を向上させる方法として注目されている空気膜二重構造(空気膜区)が,ハウス内環境と作物の生育・収量に及ぼす影響について,キュウリの半促成栽培において通常のハウス(対照区)と比較した.空気膜区では気温,地温および相対湿度が高く推移したが,透過日射量は対照区よりも低くなった.キュウリの生育および果実収量は,空気膜区が優れた.空気膜区では飽差が低く推移し,気孔コンダクタンスが高くなった.気温および湿度の上昇と飽差の低下によって気孔開度が高まり,光合成速度の向上を促すことで,日射量の減少を補って果実収量が増加したと考えられた.空気膜二重構造ハウスは,燃料消費量の削減と果実収量の増加に大きな効果があると結論される.
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© 2011 園芸学会
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