園芸学研究
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環状はく皮の処理方法の違いがキウイフルーツ‘レインボーレッド’の果実品質に及ぼす影響
村上 覚
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キーワード: 樹勢, 側枝, 癒合
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2012 年 11 巻 2 号 p. 281-287

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抄録
キウイフルーツ‘レインボーレッド’の果実肥大促進を目的とした側枝の環状はく皮において,処理回数,処理時期,結果数との関係および連年処理について検討した.さらに,環状はく皮の処理部位の違いについても検討した.その結果,‘レインボーレッド’においては側枝の環状はく皮処理により,果実肥大が促進された.また,収穫時に糖度が向上し,硬度が低下するなど,熟期が促進される傾向を示した.一方,果肉の赤みは処理により減少する傾向を示した.処理条件として,満開30日後以内に1回処理するのが適切であり,処理する際には結果枝当たりの果実数を1~2果に調整するのが適当と考えられた.連年処理を3年間行った結果,果実の肥大効果は3年とも認められ,側枝の生育や花数への影響はみられなかった.また,亜主枝に処理した場合ははく皮部が癒合せず,果実肥大も側枝での処理より劣った.以上の結果から,‘レインボーレッド’においては,側枝への環状はく皮は果実肥大促進に有効であると考えられた.
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© 2012 園芸学会
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