抄録
オオバ(Perilla frutescens L.)生葉は,棚持ち期間が短く,早いものでは数日で褐変し商品性を失う.本研究では,オオバ生葉の褐変発生における活性酸素種の役割を明らかにするため,葉中の過酸化水素量の測定を行った.また外観的変化に先立って起こる光化学系の劣化を評価できる遅延発光量を測定した.低湿度下3℃で貯蔵した場合,1日当たりの葉重減耗率は25%に達し,褐変発生より先に激しく萎れて商品性を失った.高湿度下3℃での貯蔵では,褐変発生は速いもので4日後,遅いもので8日後と葉ごとに遅速があった.しかし褐変発生時の葉重減耗率は26.3 ± 1.1%で,葉ごとのばらつきは非常に少なかった.そこで葉重減耗率10%ごとに過酸化水素量を測定したところ,褐変がみられた葉重減耗率20~30%でそれまでの2倍以上に増加していた.このことから,乾燥ストレスに伴う過酸化水素の急激な増加が,褐変を誘導していると思われた.葉ごとの葉重減耗率は,遅延発光量と5%水準で有意な相関がみられた(r = 0.67).遅延発光量は,秒単位で測定できるので,葉ごとの老化速度の違いを見極める非破壊指標になると思われた.