園芸学研究
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土壌管理・施肥・灌水
リン酸直下施肥と組み合わせた窒素・カリウム肥料の施用時期が春播き直播タマネギの生育・収量に及ぼす影響
臼木 一英室 崇人
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2018 年 17 巻 4 号 p. 405-413

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抄録

リン酸直下施肥と組み合わせた窒素・カリウム施肥条件が,直播タマネギのりん茎重に及ぼす影響を調査した.加えて,タマネギは生育に伴い葉を展開しながら乾物重が増加することから,生育期間に展開する葉数に及ぼす施肥の影響および葉数と収量との関連性を解明するために,生育初期の草丈などの生育関連形質ならびに肥大初期の養分吸収が倒伏期の葉数に及ぼす影響を検討した.その結果,これまでリン酸直下施肥条件において,播種前に施肥した肥料成分が収量に寄与する機作は不明であったが,第2葉期までに施用された窒素とカリウムは,リン酸吸収を高めるとともに,肥大初期の窒素吸収を促進して倒伏期の葉数と葉1枚当たりのりん茎重を増加させることが明らかになった.また,供した‘オホーツク222’の増収にリン酸直下施肥のみでは不十分と判断されたが,リン酸直下施肥と第2葉期までの窒素・カリウムの施用の組み合わせは,肥大初期の窒素やリン酸吸収を促進し,りん茎重の増大に寄与すると考えられた.

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