園芸学研究
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収穫後の貯蔵流通
新潟県の特産果樹の果実および廃棄部における機能性物質
児島 清秀石橋 卓馬松本 辰也安藤 大悟
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2020 年 19 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

‘ル レクチエ’,‘平核無’,‘あかつき’,‘幸水’などの幼果(摘果期),収穫果(追熟および脱渋処理後を含む)および‘ル レクチエ’,‘幸水’のせん定枝・落葉中の機能性物質を分析した.ポリフェノール濃度は,収穫果において,すべての果実で果皮の方が高かったが,幼果と比較すると全体的に濃度は低下する傾向にあった.‘ル レクチエ’,‘幸水’では,せん定枝・落葉に関しても品種間で同程度であった.フラバン類濃度は,幼果において,‘ル レクチエ’の果皮と‘平核無’の果皮・果肉が高い濃度であった.収穫果では,すべての品種で果皮の方が高かったが,特に‘ル レクチエ’の果皮が高い濃度であった.これらの結果もポリフェノール濃度の結果と同じ傾向であった.ラジカル消去能は,‘平核無’の幼果の果肉で高いレベルであったが,収穫果では幼果に比べ,低下する傾向にあった.‘ル レクチエ’,‘幸水’の落葉もラジカル消去能が認められた.クロロゲン酸の存在が,幼果において‘ル レクチエ’,‘幸水’の果皮・果肉,収穫果において‘ル レクチエ’,‘幸水’および‘あかつき’の果皮,果肉でも定性できた.

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