園芸学研究
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収穫後の貯蔵流通
収穫時期の違いおよび低温貯蔵がキクイモ塊茎中のイヌリンおよびカリウム含量に及ぼす影響
松本 雄一丸田 沙織駒場 あすか柘植 圭介渡邉 啓一
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キーワード: 重合度, 機能性, 温度, 冷蔵
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2021 年 20 巻 2 号 p. 217-223

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抄録

血糖値の上昇抑制などの機能が期待されるイヌリンを豊富に含むキクイモについて,収穫期間中のイヌリンおよびカリウム含量の推移について調査を行い,収量の推移と併せてイヌリン含量が高くかつカリウム含量が低くなる収穫適期を検討した.イヌリン含量は11月から12月にかけて急激に減少した.一方カリウムは11月から1月にかけて増加傾向にあった.これらの結果から,九州地域におけるキクイモの収穫適期は11月上旬など収穫始めの時期と考えられた.また,収穫後の貯蔵方法について検討を行った結果,低温貯蔵ではイヌリン含量の低下を抑制できないものの,カリウム含量の増加は抑制できた.このことから,低温貯蔵はキクイモ消費時のカリウム摂取量の抑制のためには有効と考えられた.

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