園芸学研究
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育種・遺伝資源
葯培養による夏咲き系グラジオラス(Gladiolus × grandiflora)の二倍体の作出
鈴木 一典坂井 佳代子高津 康正霞 正一
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2026 年 25 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

夏咲き系の四倍体グラジオラス(G. × grandiflora)の小型化を目的として,‘常陸あけぼの’,‘プリンセスサマーイエロー’,‘南都’および‘トラベラ’を材料に,葯培養による二倍体の作出を検討した.植物成長調整剤として2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)とカイネチン(Kin)またはα-ナフタレン酢酸(NAA)とKinを添加したMS培地上で葯培養を実施した結果,‘南都’を除く3品種で植物成長調整剤の組合せにかかわらず,カルス形成とシュート再生が確認された.シュートを再生した葯の割合は‘常陸あけぼの’が0.34%(2,4-D + Kin)と0.26%(NAA + Kin),‘プリンセスサマーイエロー’が0.56%(2,4-D + Kin)と0.34%(NAA + Kin),‘トラベラ’が2.90%(2,4-D + Kin)と9.64%(NAA + Kin)であった.再生した15個体(3品種計)の倍数性をフローサイトメトリーにより解析した結果,二倍体は‘常陸あけぼの’で2個体,‘プリンセスサマーイエロー’で1個体,‘トラベラ’で3個体確認された.これら二倍体個体を試験管内で増殖させた後,圃場で栽培したところ,‘プリンセスサマーイエロー’由来の個体のみが生育し,他は発根せず枯死した.‘プリンセスサマーイエロー’由来の二倍体は,元の四倍体と比較して,草丈,花穂長,葉幅,茎径および花径が小型化した.また,小花数も減少し,四倍体で特徴的であった花弁の橙色の縁取りは二倍体で消失し,花色が淡色化した.

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