園芸学研究
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育種・遺伝資源
トルコギキョウにおける覆輪安定性の数量化による品種間変異の評価
福田 直子大澤 良吉岡 洋輔中山 真義
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2005 年 4 巻 3 号 p. 265-269

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抄録
トルコギキョウの覆輪安定性の品種間変異を明らかにする目的で, 画像解析を用いて花弁の着色面積率を算出し, 品種の覆輪安定性を着色面積率の標準偏差として数量化した. この方法を用いてガラス温室における季咲きの作型と20℃一定条件とで栽培した紫覆輪のトルコギキョウ16品種の覆輪形質を評価した. 統計解析の結果, 覆輪着色面積率の品種間変異および栽培条件による変動は有意であり, 品種によって栽培条件の影響が異なることが明らかとなった. 多くの品種において20℃栽培区において着色面積率の平均値が増加するとともに個体間変異が顕在化し, 覆輪安定性が低下した. 供試した16品種を2つの栽培条件における着色面積率の標準偏差を基に分類すると, 標準偏差が10以下で栽培環境の影響が少なく覆輪安定性が高い品種群, 16以上で常に不安定な品種群, 20℃栽培条件で安定性が顕著に低下する品種群に類型化できた. 「色流れ」状の着色部の変形は1品種を除いて標準偏差が16以上の覆輪安定性の低い品種で生じた. 標準偏差が15~18でも「色流れ」が生じない品種が存在したが, このことは着色面積と「色流れ」は必ずしも強い相関があるとはいえないことを示している. 以上から覆輪形質の数量化によって統計解析を行い覆輪安定性の品種間差異の評価が可能であることが示された.
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© 2005 園芸学会
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