抄録
環状はく皮処理および反射マルチ敷設によって着色が促進されたカキ‘刀根早生’果実の収穫後の軟化発生様相を調査するとともに,改良段ボール箱の利用および1-MCP処理による果実軟化の抑制効果について複数年にわたって検討した.
無処理樹の果実での軟化発生の程度と時期は調査年次間で変動がみられた.環状はく皮処理は,いずれの調査年でも顕著に着色を促進したものの,収穫後の果実軟化も促進した.改良段ボール箱包装は,2004年のみ部分的な軟化抑制効果を示したのに対し,1-MCP処理はいずれの年でも顕著な軟化抑制効果を示した.8 月中旬から収穫期までの反射マルチ敷設は,いずれの調査年でも果実着色を促進し,2002 年には果実軟化も促進したが,2003 年および2004 年には影響しなかった.