抄録
ブドウ‘マスカット・オブ・アレキサンドリア’におけるカリウムのリアルタイム栄養診断法を確立するため,養液栽培した樹について,葉柄搾汁液のカリウムの濃度と葉の葉焼け発生率および果実品質との関係を検討した.
果粒軟化期における葉柄搾汁液中のカリウム濃度と葉焼け発生率との間に有意な相関関係が認められ,カリウム濃度が500 mg・L−1以下では,濃度が低いほど葉焼けの発生が多い傾向が認められた.
果粒軟化期におけるカリウム濃度と果粒重との間にも,相関関係が認められ,カリウム濃度が1,000 mg・L−1以下では,濃度が低いほど果粒重が小さい傾向が認められた.カリウム濃度と成熟果実の糖度との間には負の相関関係が認められたが,4,000 mg・L−1までは栽培上問題となるほどの糖度低下は観察されなかった.
幼果期における葉柄搾汁液中のカリウム濃度と葉焼け発生率および果実品質との関係は,果粒軟化期に比べると,明瞭でなかった.