抄録
キウイフルーツの溶液受粉において,花粉懸濁液を効率的に調整する新たな方法を開発した.生葯を紙の上で乾燥させ開葯した粗花粉を直接液体増量剤(0.1%寒天,5%ショ糖)に懸濁し,約0.12 mm目のメッシュで濾過し,花粉懸濁液とした.液体増量剤容量に対する生葯の重量割合が8%以上から得られた花粉懸濁液で,受粉に十分な花粉濃度の懸濁液が得られた.また,400 nmの吸光度値から,調整した懸濁液の花粉濃度を推定できた.この花粉懸濁液によって受粉した‘ヘイワード’果実の結実率及び果実肥大,果実品質は,純花粉を0.5%(w/v)で希釈した懸濁液で受粉した果実と同等であった.以上のことより,本技術は花粉精製のステップを省くことができ,キウイフルーツの人工受粉において効率性,実用性の面で有効であると考えられた.