園芸学研究
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育種・遺伝資源
ヘリクリサムをはじめとしたいくつかの植物の乾膜質な花葉においてみられた二次細胞壁
伊藤 弘顕西川 久仁子粟野 達也細川 宗孝矢澤 進
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2010 年 9 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

乾膜質な花葉をもつ7種の植物種を用いて,細胞壁の形態を電子顕微鏡および偏光顕微鏡を用いて観察した.通常,花葉は一次細胞壁だけの柔細胞で構成される.しかし,少なくとも7種の植物種における乾膜質な花葉では,共通して組織すべての細胞がセルロース配向のある二次細胞壁を発達させていることが明らかとなった.また,二次細胞壁の肥厚形態は植物種によって様々であった.すなわちヘリクリサムなどキク科の植物は管状要素あるいは転送細胞のように網目状あるいは縞状に,センニチコウなどヒユ科の植物は繊維のように層状に,イソマツ科の植物であるスターチスは種皮の厚壁異型細胞のようにひだ状に,細胞壁を発達させていた.

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© 2010 園芸学会
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