2010 年 9 巻 4 号 p. 415-420
数十種類のコンセンサスプライマーセットを用い,野菜34種類の葉緑体DNA上にみられるSSR領域の分析を行ったところ,野菜の種間多型分析への有効性が確認できた.また,ネギ属の栽培種と野生種の種間多型解析への応用を試みたところ,雑種起源の植物とその種子親の関係にあるワケギとネギを除き,近縁な栽培種や野生種がDNAマーカーのサイズで明確に識別でき,本法が種間判別に有効であることが明らかとなった.得られたDNAマーカーは,様々な野菜の育種技術や品種・系統識別技術へ応用されることが期待される.