爬虫両棲類学雑誌
Online ISSN : 1883-4493
Print ISSN : 0285-3191
イタチザメによるウミガメ科の大形カメ類に対する選択的捕食
ウイッツェル ウェインN.
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1987 年 12 巻 1 号 p. 22-29

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抄録
イタチザメはウミガメ科の大形のカメ類を選択的に捕食する。これまでになされた8報告にある404個体分のイタチザメの胃のうち,327個(80.9%)が餌を含んでおり,また68個(20.8%)がウミガメ科の大形のカメ類を含んでいた。文献によるとイタチザメは一貫して大形で甲羅の固いカメ類を食べる唯一の板鰓類であるらしい。イタチザメは,カメ類と同じく近海に棲息域をもち,独特の咀嚼機構と摂食行動とを発達させたので,このような食性に特殊化できた。絶滅の危機にあるウミガメ個体群への捕食を減らすために合理的なイタチザメの採集案を示した。
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