抄録
(1)I型ダクトは, 予想通り安定した給排気が行われた。建物の気密性が良い建物では, 局所的に給排気を行う場合に有効である。しかし, 実験を行った建物のように気密性が悪い場合には, 給気ダクトからの流入量は, 排気量の20〜25%にすぎず, I型方式の利点が発揮されない。(2)T型ダクトは, 逆流はしないし, 安定している。この程度の気密性の悪い建物では, 排気量に関しては, T型ダクトとほとんど変わらない性能を発揮している。(3)L型ダクトは, 弱の場合に逆流が生じた。しかし, ファン強のときは, 変動は大きいが逆流は生じない。したがって, 圧力が変化しても, 風量が変わらない性能を持つファンを使用すれば, 比較的安定した排気量が得られるものと予想される。(4)LL型ダクトでは, 建物の気密性が悪いため, 給気用ダクトは, その機能が発揮されない。ファン弱で向い風のとき, 給気量は排気量を大幅に上まわり, 逆流も生じる。