日本建築学会論文報告集
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各戸型貫通ダクト方式の換気性能に関する実験的研究 : 集合住宅における換気設備に関する研究 第 1 報
吉野 博勝田 高司村上 周三
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1981 年 306 巻 p. 81-91

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抄録
(1)I型ダクトは, 予想通り安定した給排気が行われた。建物の気密性が良い建物では, 局所的に給排気を行う場合に有効である。しかし, 実験を行った建物のように気密性が悪い場合には, 給気ダクトからの流入量は, 排気量の20〜25%にすぎず, I型方式の利点が発揮されない。(2)T型ダクトは, 逆流はしないし, 安定している。この程度の気密性の悪い建物では, 排気量に関しては, T型ダクトとほとんど変わらない性能を発揮している。(3)L型ダクトは, 弱の場合に逆流が生じた。しかし, ファン強のときは, 変動は大きいが逆流は生じない。したがって, 圧力が変化しても, 風量が変わらない性能を持つファンを使用すれば, 比較的安定した排気量が得られるものと予想される。(4)LL型ダクトでは, 建物の気密性が悪いため, 給気用ダクトは, その機能が発揮されない。ファン弱で向い風のとき, 給気量は排気量を大幅に上まわり, 逆流も生じる。
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© 1981 一般社団法人日本建築学会
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