人間福祉学会誌
Online ISSN : 2435-9254
Print ISSN : 1346-5821
介護支援機器の導入・活用及び介護職員に対する教育の現状と課題
-A県下介護福祉施設の実態調査より-
横山 さつき山下海老土谷森田名倉高野野村
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2020 年 19 巻 2 号 p. 67-77

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抄録

介護福祉施設における介護支援機器の導入・活用状況及び介護職員に対する教育状況等を明らかにするために、A県下所在の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、障害者支援施設の全数(311施設)を対象として郵送法による質問紙調査を実施した。その結果、最も導入率が高かったのはスライディングボード52.1%で、装着型移乗支援スーツは2.7%であった。最もアクシデント発生率が高かったのはマット状重量離床センサー40.0%であった。65機器のうち41機器(63.1%)のマニュアルが各施設で作成されておらず、施設・機種によって、「導入時の業者による説明を聞き任意使用を認める」から、「マニュアルを作成して全職員に説明し、実技試験を実施して合格者に使用許可を出す」といったレベルまで教育状況は多様であった。よって、各施設の人的・物的環境に合わせた機器使用マニュアルや介護職員の技量を評価するチェックシート等の開発及び教育体制の整備が必須である。

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