人間福祉学会誌
Online ISSN : 2435-9254
Print ISSN : 1346-5821
シニアクラブ会員における死に関連する意識と アドバンス・ケア・プランニング実施状況
樋田 小百合
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 21 巻 2 号 p. 129-135

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抄録

本研究は、高齢者の死に関連する意識と ACP 実施状況を明らかにするため、地域で暮らす高齢者への質問紙調査を行った。対象者は、シニアクラブに所属する会員130名であり、平均年齢は77.0±5.9歳、男性80名(61.5%)、高齢世帯56名(43.1%)等であった。シニアクラブ会員の死に関連する意識として、尊厳死に対して積極的な意識を示すものがおよそ60%存在した。また、ACP 実施状況において、死に対する他者との話し合いは「あり」76名(58.2%)であるが、終末期の意思表明は「伝えていない」52名(40.0%)であった。尊厳死に積極的な意識を示すものは、話し合いを実施しており、意思表明をしているものが有意に多かった。今後は、尊厳死の実情を高齢者に周知し、積極的な意識が高まることで、死に対する話し合いやリビング・ウイルの活動が増えていくことが期待できる。

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© 2022 人間福祉学会
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