抄録
本研究の目的は、既発表論文で提示された司法ソーシャルワーカー 5 職種(保護観察官、社会復帰調整官、矯正施設の福祉職、地域生活定着支援センター職員、更生保護施設職員)が直面する困難性のグラウンデッド・セオリーの統合を試み、共通の困難性を明らかにし、実践現場への示唆及び刑事司法の枠組みにおける福祉的支援の制度・施策の改善を論じる要素を提示することである。本研究では、 5 職種の GT の統合から、14個の統合概念が生成され、5 つのカテゴリーに収斂された。そして、 5 職種の共通概念 7 個、共通カテゴリー 4 つが明らかになった。
本研究では、司法ソーシャルワーカーが直面しがちなその背景と要因を含めた困難性を形式知として提示し、司法ソーシャルワークが歴史的・構造的に抱えている司法と福祉とのジレンマ等をマクロ・メゾ・ミクロを通底した視点から示すことができた。これにより実践現場で直面すると考えられる困難性の予測に示唆を与えることができた。