抄録
本稿は、ソーシャルワーク実践において、知的障害者との関係から生起する支援者の葛藤を再考し、積極的な意味づけが付与できるよう試みた。結果として、支援者は、対人関係や制度により葛藤を生起するが、ソーシャルワーク実践における被支援者が知的障害者である場合、支援者である健常者と被支援者である知的障害者の支援関係において当事者のニーズは、支援者による不可視化と排除の対象になる可能性をもつ。
しかし、支援者は、知的障害者へのソーシャルワーク実践において生起した葛藤について、対話を通した「ゆらぎ」として捉えることで、葛藤は支援者が支援者自身を省察する機会となり、学習の機会になるという肯定的な意味づけで捉えることができる。そしてさらに、支援者は葛藤を肯定的に捉えることで、知的障害者へのソーシャルワーク実践を常に省察し続ける省察的実践者となる意義をもつ、と考えられることが明らかになった。