抄録
スウェーデンにおける年金受給者団体に焦点を当て、それらの活動に見られる諸特徴について明らかにした。方法として、先行研究を検討した上で、筆者が実施したリモート・インタビュー調査の結果を分析した。その結果、①同国の高齢者福祉NPO は、他の分野と同様にサービス機能が脆弱ではあるが、②年金受給者団体のアドボカシー活動が活発であること、③年金受給者団体は支持政党別に分かれているが、④党派を超えた協力と、政府との制度化された対話を通して活動していることがわかった。以上から、日本においても、年金受給者団体間の対話を進めるとともに、政府-年金受給者団体間の対話を政策形成過程に制度的に組み込むことを通して、社会政策をより民主的にコントロールできる可能性が高まることが示唆された。