日本保健福祉学会誌
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Print ISSN : 1340-8194
「精神障害者生活機能評価尺度(参加面)」の開発研究
齋藤 深雪
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2007 年 14 巻 1 号 p. 11-21

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抄録

精神障害者の自立支援が促進される中、2001年に発表された国際生活機能分類International Classification of Functioning Disability and Health (ICF)は、「社会で生活すること」を生活機能という側面からとらえられることを提言した。そこで、ICFを参考にし、他者評価の精神障害者生活機能評価尺度を作成した。これは、精神障害者の生活機能を把握するものであり、活動面と参加面から構成される。本研究の目的は、精神障害者生活機能評価尺度(参加面)の信頼性と妥当性を検討することであった。精神科デイケアスタッフ14名が精神科デイケア通所者143名の生活機能を評価した。その結果、尺度の信頼性は、テスト-再テスト法ではPearsonの相関係数はr=0.80 (p<0.01)、折半法ではPearsonの相関係数r=0.86〜0.92 (p<0.01)と高い値であった。各因子のクロンバックの信頼係数は0.86〜0.91 (p<0.01)であり、内的整合性が高かった。尺度の妥当性は、因子分析を行い4つの因子を抽出し、因子分析の累積寄与率が70.5%と高かった。他者評価と自己評価の相関係数はr=0.40であった。以上のことから、尺度の信頼性と妥当性が示された。

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© 2007 日本保健福祉学会
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