日本保健福祉学会誌
Online ISSN : 2424-0036
Print ISSN : 1340-8194
18か月児の社会能力に関連する要因に関する追跡研究
田中 笑子篠原 亮次杉澤 悠圭童 連矢藤 優子山川 紀子安梅 勅江Japan Children's Study Group
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2009 年 15 巻 1 号 p. 11-20

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抄録
目的:本研究は、子どもの社会能力を構造的に評価する「かかわり指標」を用いて、18か月児の応答性に関連する4か月時の養育環境の特徴を明らかにすることを目的とした。方法:対象は、JSTプロジェクトに登録された子どもとその養育者のうち、データに欠損を含まない163名である。生後4か月時に養育者に対する記名自記式質問紙、18か月時に「かかわり指標」を用いた子どもと養育者に対する観察評価を実施した。4か月時の調査内容は、子どもの性別、きょうだいの有無、家族構成、経済状況、両親の年齢、教育レベル、職業、育児意識(夫婦間の育児協力、育児ストレス)、18か月時の観察内容は、子どもの応答性と養育者のかかわりの特徴である。結果:18か月時の「かかわり指標」の応答性領域得点と4か月時の養育環境について、対象属性と養育者側要因を調整して関連を検討した。その結果、18か月時の子どもの応答性と、4か月時における母親の「夫の育児参加に満足している」との有意な関連がみられた。結論:配偶者の育児サポートへの満足感が、18か月児の社会能力に影響する一要因である可能性が示唆された。
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© 2009 日本保健福祉学会
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