日本保健福祉学会誌
Online ISSN : 2424-0036
Print ISSN : 1340-8194
研究ノート
要支援高齢者の抑うつ状態に関連する要因
村上 智広望月 吉勝
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 22 巻 2 号 p. 9-17

詳細
抄録

【目的】ホームヘルプサービス利用者と通所サービス利用者のとの間で抑うつに関連する要因を社会参加および健康状態から分析し、考察することを目的とした。

【方法】北海道の内陸部に位置する一地方都市の住民で、要支援1または2の軽度要介護認定を受けて介護保険サービスを利用している高齢者を対象に調査を行った。ホームヘルプサービスを利用している33 人と通所サービスを利用している45 人を分析対象とした。調査期間は2009年6~9月であった。GDS-5 得点を目的変数とした重回帰分析により標準偏回帰係数(β)を算出した。

【結果】重回帰分析の結果、有意なβ を示したのは、ホームヘルプサービス利用群ではSF-8 の身体的健康サマリースコア(-0.37)および社会関連性指標の身近な社会参加(-0.43)であり、通所サービス利用群では有意な変数は見出せなかった。

【結論】ホームヘルプサービス利用群では身体的健康が低いこと、身近な社会参加が少ないことが抑うつ状態に関連する要因であることが示唆された。

著者関連情報
© 2016 日本保健福祉学会
前の記事 次の記事
feedback
Top