2017 年 23 巻 2 号 p. 23-33
目的:青年期のストレッサーへの意味づけ方を測定する尺度(以下、ストレッサーへの意味づけ方尺度)を作成し、その妥当性及び信頼性を確認する。
方法:大学生270名を対象とし、ストレッサーへの意味づけ方尺度(予備尺度)を用いた質問票を配布した。データを基に、妥当性については、探索的因子分析と、ストレッサーの領域、ストレッサーの深刻度及びSOC-13を用いた基準関連妥当性の検討を行った。信頼性については、Cronbachのα係数の算出と折半法を実施した。
結果:因子分析(最小二乗法、プロマックス回転)を行った結果、ストレッサーへの意味づけ方尺度について「ストレッサーからの成長」、「人生の目的の明確化」、「周囲との関係性の再認識」の3因子が抽出された。ストレッサーへの意味づけ方尺度および3因子をもとにした各下位尺度のCronbachのα係数は0.88~0.94であった。折半法の相関係数は0.90(p<0.001)であった。ストレッサーへの意味づけ方尺度及び各下位尺度はSOC-13との間に有意な正の相関を示した(r=0.29~0.49、p<0.001)。また、「人生の目的の明確化」はストレッサーの深刻度との間に有意な負の相関を示した(r=-0.14、p<0.05)。一方、「進路・就職」、「成績・能力」及び「健康」ストレッサーはストレッサーへの意味づけ方及び各下位尺度との間に有意な相関を示さなかった。
結論:開発したストレッサーへの意味づけ方尺度の妥当性及び信頼性が示唆された。しかし、ストレッサーの領域の中にはストレッサーへの意味づけ方尺度及び各下位尺度との相関が見られないものもあったため、今後更なる検討を要する。