日本保健福祉学会誌
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特集
「いばらきコホート調査」における倫理的配慮
神崎 真実川本 静香妹尾 麻美中田 友貴肥後 克己孫 怡岡本 尚子安田 裕子サトウ タツヤ鈴木 華子矢藤 優子
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2020 年 26 巻 2 号 p. 17-25

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抄録

人を対象とする研究において,倫理的な配慮は不可欠である。インフォームド・コンセント,個人情報の取り扱い,調査協力者の体調が崩れた場合の対応等,配慮事項は多岐にわたる。しかし,継続して行われる研究プロジェクトになると,個別に対応すべき案件が後から出てくることも多い。また,研究遂行を目的としている場合,調査協力者への支援や情報提供等にも限界がある。本報告は,「いばらきコホート調査」における倫理的配慮について,研究グループで議論してきた内容と工夫を記述するものである。継続して行われるコホート調査における倫理的配慮の特徴について4点(①インフォームド・コンセント,②個人情報保護,③面接調査・行動観察・唾液調査における配慮,④調査結果のフィードバック),抑うつの可能性がある協力者への対応について4点(①概要,②抑うつ状態に関する結果のフィードバック,③茨木市との連携,④マニュアルの作成)に分けて記述した。最後に,研究を遂行する上で発生した倫理的課題について言及した。

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